三 月

山全体がほんのり赤みを帯びた様子に
春の訪れを感じると 朝晩の冷めたさも
なんだか嬉しく思えてきます。
いつもと変わらない一つ一つの枝も
芽を出す準備を少しずつ始めているようです。
広い信州は早くから花の便りも聞かれますが
蓼科ではそれが待ち遠しい日々です。

三月には弥生と同様に竹秋(ちくしゅう)と言い方があります。
竹の葉が黄色くなる時期からきている呼び方だそうです。
土の下のタケノコを育てるための春先の黄葉。
厳しい自然の中で生き物も植物も季節に応じ
イミのある変化をすることには感心させられます。

女将

二 月

寒さ厳しく良い天気、スノーボードやスキ-を
積んだ自動車を多く見かける二月の朝。
たてしな藍の周りには車で30分位で
行くことのできるゲレンデがいくつかあります。
真っ青な空と澄みきった空気とお陽さま。
蓼科の山々の人気の理由です。
ウインタースポーツを楽しんだ後は
温泉と美味しい料理、布団でゴロゴロするのも格別です。
スポーツはテレビで観戦し、明るいうちから露天風呂で空を仰ぐ。
枝から枝に飛び回る山の小鳥をただ、、、眺める。
梅の便りはほど遠い蓼科の至福の時間です。

女将

一 月

日ごと寒さ厳しい蓼科の冬
日差しの強さは なによりの天の恵みです
標高が高い分だけ太陽に近づきます
夜が明ければ澄みきった空気とお陽さま
シンと静まった白い大地
この地このときの体感です
屋根から解け出た雫が一滴
氷の柱をゆっくり下に滑ります
木枝の雫はオブジェのように不思議な形に凍っていきます
大地の恵み温泉につかりながら
枝から枝に連れ立って移動する
山の鳥たちのさえずりに耳を傾け
のんびり湯気を眺める
いつもの冬の日々です

女将

朝日は東から

師走を待つまでもなく、唐松の葉は落ち、
山々は白く雪化粧しています。桜の四月、
新緑の五月と季節は移り今年も残りわずかとなりました。
日陰を求めて歩いた「とても暑い夏」から、
今は陽だまりを辿る毎日です。
様々な出会いに教えられることも多く、
美しい景色に何度も心動かされました。
平凡かもしれませんが、冬らしい冬や、
「いつもの夏」の中にこそ、ささやかな
安らぎが得られるようにおもいます。

女将

霜降の月

秋が深まり、朝夕はとても気温が低くなりました。

里の田圃はすっかり刈り入れが終わり、
束ねられた稲わらが整然と立ち並んでいます。

田畑の背後に構える八ヶ岳は、
稜線付近が霧氷で白くなり山腹の赤みを帯びた茶色との対比が鮮やかです。

信州で越冬する「冬の使者」白鳥もやって来ました。
霜や霧氷の白は、間もなく雪の白に変わります。

女将

紅 葉 月

秋 蓼科の十月は秋です
樹々が染まり始め
鳥たちは落ち穂を拾い
ホトトギスがそっと咲いています<
白駒池の紅葉がおしまいになると
横谷峡のあちこちの見ごろが気になります
赤や黄色を仰ぎ愛でながら足元で気に入った葉を見つけます
生き物たち山の恵みに大忙しです
朝露と星空に日ごと夜毎に感じる蓼科の秋です

女将

長 月

九月の声を聴くと暑さもひと段落かなと少しホッとします
九月の声を聴くと夏の賑わいもおしまいかと少し淋しくなります
九月の声を聴くと実りの秋のはじまりに少しワクワクしてきます

今年は小さな秋が いつもより嬉しく感じます

小さなドングリ 揺れるコスモス フルーツほうずき アキアカネ
珍しい黒いアキアカネが舞う白駒池は九月の末には紅葉も色付きはじめることでしょう

車山高原で遠くの山々を眺めるのもススキと戯れるのも楽しみな季節です

女将

峠を越えて苔の森へ

夏、麦草峠へ向かうのは、
まるで沸き立つ入道雲に向かう気分です。
峠に立つと、風に運ばれて雲は、
西の諏訪湖から東の佐久平へ。
自然の壮大な動きを実感します。
北八ヶ岳の大小の湖沼を抱える森は、
年間を通して適度な湿度があることから、
数百種類と言われる苔の宝庫です。

「白駒池」へ通じる山道はその素晴らしさの代表ですが、
夏鳥やリスやオコジョも顔を出し散策に飽きることがありません。
加えて、街中では得られない、心地よい涼しさが、ここにはあります。

女将

七夕の月

大地に雨 高原の風
太陽の強い日差し
木陰の爽やかさ
夜空にまたたく星
蓼科は朝に昼に夕べに
夏の恵み 自然の力を感じます
朝露にきらめく草花に心を躍らせながら
乙女滝まで早朝の散歩に出かけましょう

女将

六月

風になびく青い稲
そよ風に揺れる青葉たち
山々を見上げれば青い空
雨の日も晴れた日も
蓼科の素晴らしい大切な時節です
高原の初夏の日差しも
樹々からポタリと落ちる雨だれも
巣立ったばかり おっかなびっくりの子どもたちは
生きていく大変さを勉強中です

女将